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例えば、Tは、早くから高度情報化社会における建築と都市を唱えたが、この課題は達成されていないように思われる。
またギリシアのアゴラをモデルとした広場を重視していたが、日本ではなじまないようだ。
建築のシンボルが崩れ落ちた後、われわれに宿題は残されている。
一九九○年代以降、中国ではすさまじい勢いで大規模な開発が進行しているが、オリンピックを控え、北京でも建設ラッシュだ。
二○○四年、東部の業務地区に建外SOHOが姿をあらわした。
Y本理顕が全体を計画したものである。
凡庸なポストモダン風の建築が増殖しているなかで、建外SOHOだけは装飾を排除した真白い高層ビル群として異彩を放つ。
Y本は、格子のパターンが三次元的に展開するモダニズム的な建築を追求した。
東雲キャナルコートの提案をさらに発展させ、新しい富豪のために、住宅にもオフィスにも使えるフレキシブルな空間が提供される。
日本でやり残したことを実現したかのようだ。
しかも、碁盤目状の街区が続く北京の都市構造に対して、二五度傾けて配置している。
採光などを考慮したためだが、他の建物との角度のズレによって、遠くから眺めても、存在感のある新しい風景の創出に成功した。
短期間で街区をまるごと開発する野心的な巨大プロジェクトを進める中国の状況と、Y本の合理的なシステム志向は相性がいいようだ。
建外SOHOの商業施設では、C+Aやみかん組など、新世代の建築家も参加している。
また現場の監理を担当したY本事務所の所員が残り、ここでSAKO建築設計工社を立ち上げた。
最近の日本では、若手が大きなプロジェクトに関わるチャンスがほとんどないが、彼らは天津で大型の商業施設を手がけており、この国の可能性に賭けているという。
事務所を訪問したとき、大学の教え子に思いがけず出会ったが、卒業していきなり中国で働くことも増えるかもしれない。
万里の長城の近くでは、S孝相、C永和、B茂、F谷誠章など、一二人のアジアの建築家がゲスト・ハウスを設計する。
有料で見学できるのだ。
テレビのCMで、Yが件でいた竹の家もここにある。
日本でありそうでなかった実験的なプロジェクトだ。
建外SOHOと同じく、三○代の社長が率いるSOHOチャイナという新興のデベロッパーが仕かけたもの。
若いチャレンジ精神が、新しい建築を支えている。
一方、大山子芸術区は、工場をギャラリーやデザイン系のショップにリノベーションしたエリアである。
特に工場は、大型の吹抜けのある素晴らしいアート・スペースで、日本ではお目にかかれないものだ。
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